突然ですが、腰痛になってしまったら?
月へんに要(かなめ)と書いて、腰という字になります。要という字が入っていることからも分かるように、腰は人間にとって非常に重要な部位です。その腰に痛みが走るのが、腰痛です。
しかし、単に腰が痛いというだけではなく、腰痛には実に色々な種類があります。ここでは、突然腰痛になってしまったら、まずはどうするべきかを解説していきたいと思います。
あなたならどうしますか?
腰に何か違和感があって、それが徐々にひどくなって遂に腰痛になってしまった、あまりの痛みに歩くことすらできなくなるという症状が突然出てきたとしたら、あなたならどうしますか?
今時はインターネットで何でも調べられるので、ネットで調べた腰痛対策を色々と試してみるという人が多いのではないでしょうか。ネット上の情報には良いものもたくさんあるので、その中から見つけた情報で腰痛が改善することもあるとは思いますが、インターネットというのは誰もが自由に情報を発信することができるメディアです。そのため無責任で不確実な情報が大量に流通しているという特徴も併せ持っており、万が一そのような謝った情報を鵜呑みにして試したとしても、改善するどころか逆効果となって悪化する事態も考えられます。
ネットで仕入れた情報での治療は、危険な「素人療治」に近いものなので、やめておいたほうが無難です。
では、どうすれば良いのでしょうか。
絶対安静
腰痛になってしまった時にまずすること、それは絶対安静です。腰が痛い時は体のどの部分を動かしても痛いはずです。月へんに要と書くように、腰は全身のあらゆる部位を支えています。いざ腰痛になるとそれを嫌と言うほど実感することになりますので、まずは絶対安静にして腰を休ませてあげてください。
絶対安静の期間は、おおよそ3日間です。その3日間は全く動いてはいけないということはありません。痛みが出ない範囲に歩いたりする分には構いませんので、痛みがないのであれば入浴しても構いません。いけないのは買い物に行ったり仕事に行ったりといったように、腰に負担がかかるような動作です。また、安静にしている3日間はできるだけ痛いところを冷やしてください。痛みによって筋肉が炎症を起こすのを防ぐためです。
安静にしているうちに冷やすことで痛みが収まってきたら、冷やすのをやめてください。筋肉の炎症は抑えられたので、次は本格的に腰痛対策を始めます。
コルセット
よく腰痛に悩んでいる人が腰にコルセットを巻いているのを見ることがあります。これは腰を固定することで負担がかかるのを防ぐ器具ですが、腰痛の人にはこれがとても有効です。お持ちでなければ薬局でも売っているので、買いに行って下さい。コルセットを使って腰を固定することができたら、ようやく病院です。
整形外科
受診するのは整形外科になりますが、他にも腰痛で通っている人はたくさんいるはずなので、整形外科の先生はほとんどの人が腰痛に詳しいと思います。そして腰痛で診察を受けると、ほとんどの場合レントゲンやMRIの撮影があります。腰痛の原因は実にさまざまなので、こうした医療機器を使って写真を撮影し、そこから正確な情報を得た方が確実な診断ができます。
腰痛になっても、いきなり手術をするような治療になることは少なく、まずはストレッチのような体操を習慣づけるような治療や、理学療法などが試されます。これで症状が改善すれば治療が効果を発揮していることになりますが、腰痛というのは中々奥が深く、それだけでは治療効果が表れず、正確な原因すら分からないこともあります。
その他の治療院へ
そんな時は整形外科という治療だけに頼らず、整体やカイロプラクティックなど違ったアプローチからの治療も視野に入れて模索してみるのも有効でしょう。
腰痛は予防することができるのです
腰痛の痛みはある日突然やって来ることが多いのですが、腰痛の症状がある日突然始まることはありません。激痛となって表に出てくるのは突然のことかも知れませんが、腰で何かが起きているのは、それよりもずっと前のはずです。
腰痛が起きるのは何かのキッカケからですが、それまでに腰痛になりやすい生活習慣があったはずなので、腰痛の予防はまず、そういった腰痛を誘い寄せるような生活習慣を改めることから始めましょう。
生活習慣を見直そう
それでは、腰痛になりやすい習慣(つまり腰に負担がかかりやす習慣)とは、どんなものでしょうか。
- ・座りっぱなしでの長時間作業
- ・長時間の自動車運転
- ・長時間の前傾姿勢(キッチン作業や掃除など)
- ・重い荷物の持ち運び
- ・運動不足
- ・下り階段を飛び降りる動作
これらの生活習慣は、短期間だけであれば特に腰痛を引き起こすことにはなりません。長い期間にわたってこういった作業や姿勢を続けることにより、徐々に腰への負担に腰が耐えられなくなってくるのです。
無理な姿勢を見直す
特に若いうちは体が元気なのでこうした無理な姿勢をすることが多くても何とも思いませんが、年齢を重ねるにつれて体の機能が低下してくるので、こうした姿勢や作業などが積み重なると腰に疲れを感じたりするようになります。疲れを感じているだけなら苦痛を伴いませんが、それが続くと次第に腰の違和感になり、やがて腰痛に発展します。
座りっぱなしやクルマの運転など、これらの動作は短時間であれば大した負担にはなりません。問題はそれが長時間に及ぶことで、前傾姿勢も長時間かつ長期間になることで腰への負担が表面化するのです。
飛び降りる動作も危険
また、この中に少し意外な感じの動作が含まれています。一番下の飛び降りる動作です。子供の頃、高いところから飛び降りた経験というのは多くの方がお持ちだと思います。あまり高いとそれだけで怪我をしますが、自分の背丈より少し高いくらいのところであれば、平気で飛び降りていたのではないでしょうか。
実はこの動作、大人になってからやると腰に大きな負担がかかります。自分の背丈ほどの高さから飛び降りることはなくても、ちょっとした段差でも同じです。下り階段で、あと数段しか無いところでそれを飛び降りるような感じで駆け下りた経験はないでしょうか。最後の数段なのであまり気にせずに飛び降りる人が多いのですが、この動作が骨盤や腰椎に負担をかけてしまい、この瞬間に腰に「ぐきっ」という痛みが走って腰痛に発展するというケースも少なくありません。
荷物の持ち方を改善
また、重い荷物の取り扱いについても腰痛の原因になりやすいと以前から指摘されています。たまに持つくらいなら問題はありませんが、仕事などで日常的に重いものを持つ可能性がある人は、その荷物の持ち方を工夫する必要があります。
最もNGなのは?
最も良くないのが、上半身から荷物を持ちに行く姿勢です。上半身を起こす力だけで荷物を持ち上げるということは、その重さのほとんどが腰への負担となります。これはもう腰痛になりたいのかと言われても仕方ない姿勢なので、絶対にNGです。重い荷物を持ち上げる時は、膝を曲げて下半身の力で垂直に持ち上げるようにしてください。日常的に荷物を運ぶトラック運転手や引越業者などの仕事を見ていると、重い荷物を持ち上げる時に必ず膝のクッションを使っていることが分かります。
このように生活習慣にまずスポットを当ててみて、腰痛になるリスクをはらんでいる習慣を意識してやめるようにするだけで、腰痛の原因は大半が取り除かれたことになります。もちろんこれだけ原因がなくなるわけではありませんが、人間の加齢によって次第に腰が弱ってくるのを遅らせることができる効果はあります。
運動具足を解消しよう
最後に運動不足の問題も解説しておきましょう。人間の体は使わないところが退化するようにできています。つまり腰やその周りにある筋肉も使わなければどんどん退化して腰痛を引き起こしやすくなるので、腰への負担がかかりにくい適度な運動を習慣づけることは大いに意義があります。
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