脊椎の回復
脊椎の回復の方法を見ていきましょう。
ギプス
脊椎分離症で背骨が折れてしまったり、脊椎すべり症で背骨がずれてしまう場合、また骨折した脊椎がずれてしまう脊椎分離すべり症の場合、ギプスで固定することがあります。
保存療法と呼んでいます。
脊椎分離症は、スポーツをしている若者にとても多い症状です。
そのままムリしてスポーツを続けると、分離した骨がくっつかないばかりか、ずれてきて神経を圧迫する場合もあります。
1,2ヶ月体幹ギプスで固定をし、その後はコルセットをしながら運動療法をすることで、分離した骨が癒合することもあります。
交通事故に遭ったり、骨粗しょう症の方がしりもちをついたりして脊椎を圧迫骨折をしてしまう場合もあります。
脊髄損傷があるなら手術が必要になるかもしれませんが、損傷がないなら体幹ギプスで固定する治療を行なえます。
着脱可能なプラスチック製ギプスもあります。普通のギプスはいったんセットしたら外せないので、活動を制限しからだや気持ちを弱めるほか、皮膚の炎症も心配です。着脱式ギプスはそれに比べて可能な範囲での活動ができ、不安感も軽くなるのです。
レーザー治療
椎間板ヘルニアになった場合、まずは保存療法がおこなわれます。
安静にすること、鎮痛剤をのむこと、ブロック注射などでよくなれば、ひと安心です。
しかし、どうも効果が見られないという場合、手術が検討され始めるかもしれません。
それでも、メスを入れるにはリスクが伴いますし、回復に時間がかかります。
レーザー治療が別の方法として使われています。
レーザー治療は、椎間板を照射して圧迫をさげる方法です。
X線で脊椎内部をみながら椎間板に針を刺します。
椎間板ヘルニアは、椎間板の内圧が高くなり、中身がはみ出てきて神経を圧迫しますから、その圧力を下げれば中身は引っ込み、圧迫がなくなるということになります。
針の中からレーザーを照射して、椎間板の中身を蒸発させて圧力を下げるのです。
傷もなく、日帰りで治療できるのがメリットになります。ただし、ヘルニアが進行しており中身が飛び出してしまっている場合は、中の圧力をさげても変形が戻らないことがあります。
レーザー治療のデメリットは、保険適用外のために自費治療となることです。
手術
椎間板ヘルニアの場合、ラブ法という手術が一般的です。
背中を切開して、問題となっている椎間板の一部を取り除く方法です。
切開するのは5センチ程度ですが、術後のリハビリもあり、社会復帰するのに数週間かかるのです。
大きな切開をせずに内視鏡で手術する方法も編み出されてきました。
背中を数センチ切開し、内視鏡を挿入して、モニターをみながらヘルニアを切除するのです。
からだにメスを入れる、と大きなダメージを受けるものです。
回復にも時間がかかります。
切開がすくなければ、それだけ社会復帰も早いのです。
自分にあった治療法をみつけて、一日も早い回復を目指したいものですね。