神経の痛みをとる
神経が圧迫されて生じる痛みを緩和していきます。
椎間板ヘルニアの場合、背骨と背骨のあいだにはさまっている椎間板(軟骨)に亀裂が生じて、中身がはみ出してきます。
それが神経を圧迫して、痛みやしびれを引き起こします。
脊椎すべり症や骨粗しょう症からくる圧迫骨折、変形性脊椎症などの場合も、骨があるべき位置から動いてしまい、神経を圧迫して痛みを生じさせることが多くあります。
消炎鎮痛剤
まずは痛みをやわらげるために、消炎鎮痛剤をつかうことがあります。
消炎鎮痛剤とは、プロスタグランジンと呼ばれる物質をからだの中で作らないようにする薬です。
それを服用することで血管が閉じるような働きをし、痛み物質が止められるのです。
もちろん、消炎鎮痛剤を使ったからといって、椎間板のはみ出しや骨のすべり、骨の圧迫骨折が直るわけではありません。
痛みを抑える対症療法なのです。
これは痛みの悪循環を止めるためにも重要です。
原因→痛み→緊張→筋肉の収縮→血行障害→更なる痛み
という悪循環を断ち切るために使われます。
シップとして貼る消炎鎮痛剤もあれば、塗り薬のタイプ、飲み薬のタイプがあります。
シップ薬の場合は皮膚の炎症、飲み薬の場合は胃腸の不調といった副作用に注意しながらの使用になります。
神経ブロック
神経ブロックとは、麻酔薬やステロイド剤を注射して、痛みの伝達をカットする治療です。
異常に緊張してしまった筋肉をほぐす効果があります。
トリガーポイント注射:
局所麻酔薬を注射することによって痛みがやわらぐことがあります。
痛み→緊張→筋肉の収縮→血行障害→更なる痛み
という悪循環を断ち切るのに役立ちます。
局所麻酔薬とステロイド薬の混合注射をすることもあります。
局所麻酔はすぐに効き始め、数時間つづきます。
ステロイド薬は数時間たってから効き始めます。
1回の注射で治る場合もあれば、定期的に繰り返し治療していく場合もあります。
硬膜外ブロック注射:
神経を包んでいる硬膜に注射する方法です。
腰から足にかけての痛みをやわらげて、血行をよくしていきます。
血行がよくなることで、細胞組織が活性化され、こわれた部分の修復が期待できます。
痛みの悪循環から、自律神経失調症といった別の症状を併発させるのを防ぎます。
一度の神経ブロック注射で、3ヶ月から6ヶ月程度の効果がつづきます。
そのあいだに、ほかの治療やからだの治癒力によって症状がよくなることを目指します。
神経に直接注射するわけではなく、神経を包んでいる硬膜への注射ですので、注射の痛みもそれほどではありません。
神経の痛みを取り去って、さわやかな一日を楽しみましょう。