脊椎からの腰痛
脊椎の変形や骨折から腰痛が起こることも見受けられます。
若いころからテニスをしていたら、腰が痛くなり、続けられなくなった。
別にムリなことはしていないのだけれど、年を取ってから腰が痛くて仕方がない。
トラック運転手として全国を飛び回っていたのに、今は腰痛で動けない。
原因はさまざまでも、脊椎に問題をかかえてしまい腰痛を引き起こしているケースがあります。
脊椎(せきつい)とは「背骨」のこと
脊椎とは、よくいう
「背骨」
のことです。
背骨は32個~34個の骨でできています。
頭の下、首の部分を「頚椎」といい、骨が7個、
その下の背中の部分が「胸椎」で12個の骨、
その下の腰の部分が「腰椎」で5個の骨、
その下に「仙骨」が5個の骨、
お尻の部分が「尾骨」で3~5個の骨でできているのです。
また、骨と骨のあいだにはやわらかいクッション材がはさみ込まれていて、これを「椎間板」といいます。
だるま落としのあいだにマンジュウがはさまっているようなものですね。
脊椎分離症
人体の骨の模型を見たことがありますか?
背骨の背中側に、恐竜のような尖がりが一つずつ出ています。
この「棘突起」の部分が骨折して脊椎本体から離れてしまうのを
「脊椎分離症」
といいます。
スポーツによる疲労骨折が原因のほとんどです。
骨折してしまうと、その周りの筋肉や靭帯が代わりにからだを支えるようになり、筋肉や靭帯が弱い場合は疲労から痛みを感じます。
脊椎すべり症
脊椎分離症で離れた背骨本体が、からだの前のほうへすべってきてしまうのを、
「脊椎すべり症」
と呼んでいます。
本来あるべき位置からずれるので、神経を圧迫し、しびれや痛みを生じます。
椎間板ヘルニア
背骨と背骨のあいだにはさまっているクッション材である椎間板に亀裂が入り、中身が飛び出てしまうのを
「椎間板ヘルニア」
といいます。
背骨の周りには神経が通っており、その神経を圧迫してしびれや痛みを引き起こします。
だるま落としの間にはさまっているマンジュウのアンコがはみ出てくるようなものです。
変形性脊椎症
背骨と背骨のあいだにはさまっているクッション材である椎間板が、老化によって変形してしまったり、背骨自体に棘のような突起が出てきてしまうのを、
「変形性脊椎症」
と呼んでいます。
脊椎の中心にある脊髄や神経が圧迫されて、痛むことがあるのです。
だるま落としのあいだのマンジュウがしなびてしまい、だるま落としのコマとコマがぶつかるようになるのと似ています。